僕帝国幻想

見知らぬ場所にいる人間には、どうして憧れてしまうのだろう

乃木坂46のシンクロニシティを聴いたら自分がラップを好きと言えなくなるか、あるいは、Hip-hopなフリして自分とギリ生きている*1

 
僕は可愛い女の子が好きだ。
そして、ミュージカルが好きだ。
だから、乃木坂46の『シンクロニシティ』は聴き惚れてしまう。
聴けばすぐわかるように歌詞というよりミュージカル的な台詞だし、アイドルグループだから基本的に合唱する。
可愛い女の子がたくさん出てきて、ミュージカルみたいに歌う*2。それは本当に素晴らしい。ここ数日のヘビーローテーションである。
(ダンスは凝っているのにリップシンクのないMVは最低。秋元康の歌詞を映像で意味するのは、本当に意味ない。忖度MVといわれたとしてもおかしくない)
 
 
僕はミュージカルが好きだけど、ラップも好きだ。*3
そして、秋元康が嫌いだ。
だから、秋元康の歌詞でラップ風があると心底冷え冷えする。
自分がラップを好きなことが恥ずかしくなる。
欅坂46の『エキセントリック』が好対照だが、台詞部分はとても良いのに、ラップ風に歌われると引いてしまう。
こんなラップ風は控えめに言ってマジクソだが、『シンクロニシティ』には全くないからとても良い。
「76億分の1になった」*4って歌詞を1節で歌うなんて、ただの早口言葉じゃないか。
 
不快なところが見えなくなって初めて気づく。
僕は、ただ音楽に合わせて早口言葉を言っているのが好きなだけだったのか。
可愛い女の子が踊って合唱するのが好きなだけなのか。
それは僕の好きなミュージカルもラップとは何も関係ないのではないか。
そんな風に疑問が思い浮かんだら、なんとなくアイドルを好きになるよう人の気持ちに共感した。
(本質的にはどうでもいいところに、)自信の些細なこだわりを投影して見出すことに通じているのだ。
 
アイドルファンの気持ちを勝手に理解したところで、アイドルの話から離れて終わりにする。
僕のこだわる好きなところが一つに集まった名曲があるので、これだけ再生してほしい。
可愛い女の子たちが歌って踊るわけではないのだけど、
ラップもバンドもライブも最高に上がって、
台詞パートも早口言葉パートも合唱パートもそろった稀有な構成で、
果てしなく壮大、かつ矮小な曲な一曲である。
正直、こんな曲がもっと聴きたい! アイドルとは何も関係なくなった! 主におじさんになってしまった!
 
キリンジ feat. RHYMESTER 『The Great Journey』
 
 
 
 
*1 の子, フロントメモリー feat. 川本真琴
*2 乃木坂46のメンバーのひとり、生田絵梨花は本物のミュージカルスターだ